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昨日は、東京大学本郷キャンパス内の東京大学総合研究博物館で行われている、「鳥のビオソフィア―山階コレクションへの誘い」を見てきました。
咳が出てあまり調子はよくなかったのですが、久々の家族サービスと言うことで足を運びました。
風邪をおして行っても損は無かったという感想です。むしろ、多少なりとも自然科学に興味のある方にはお勧したい展示です。
特に印象に残っているのは、展示の中盤くらいにある「赤い部屋」とその次にある「ニワトリたちの部屋」。
(これらの部屋の名は東大の許可無く勝手に命名していることをお断りしておきます。)
右のurl(http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2008biosophia_slideshow.html)で展示のスライドショウが始まりますので、多分ワタシの言った2つの部屋のことが分かると思います。
なお、今回の展示は「展示デザインに関するミュージアム・テクノロジー(博物館工学)の研究成果も併せて公開」され、「ミュージアム展示における各種の先端的な試み」の「集大成」ということです。
「ミュージアムテクノロジー」については全くの門外漢ですが、今までに無くデザイン性に溢れ、見ていて楽しい展示になっていたことだけは言えます。
その興味を惹いた2部屋の感想。
「赤い部屋」は壁が赤のためそう名付けたのですが、ここで圧巻なのは入って左側の箪笥形の整理棚です。
鳥の剥製が種類ごとに、引き出しの一段を占めて横たわっています。
インコや啄木鳥やサイチョウの剥製が、衣装箪笥の一段を船積み前の波止場の新車と同じように隙間無く置かれている様を是非想像してみてください。
また、鳥の剥製以外にも部屋の調度類が研究室をイメージさせ、自分が学者の部屋に入り込んだかのような印象を受けます。
次の「ニワトリたちの部屋」は、ワタシをコロッと仕留めました。展示担当者の狙い通りです。
日本のみならず世界中から集めてきたニワトリの剥製、60体程が一つの部屋にまとめられています。
ニワトリの剥製なんて、研究者しかその価値を理解しないものの代表選手のようなものなのに、こうやって一つ所に「ニワトリ」でまとめられると鶏冠の形、尾羽の長さ、色、大きさの違いが一目瞭然。
素人でも面白いと思える展示になっています。
一般的に博物館や美術館の展覧会告知ポスターを見ますと、有名な作品や国宝がその中心に配置され「有難いからお参りをどうぞ」と言わんばかりのものになっています。
実際それに釣られて行ってみると、その有名な作品は丁寧に周りを設えられて鎮座ましましており、そこには「初詣の参拝客」にも似たに黒山の人だかり。
それ以外の展示には、「折角だから一応一通り見ましょうか」と言う人々が「お義理」で見ている程度。
博物館の展示で人を集める手っ取り早い方法が「有名作家」の「名作」であることは、素人であるワタシにも理解できます。商業主義はこの時代では仕方のないことです、非難するつもりは毛頭ありません。事実ワタシもその「名作」目当てで行くことが殆どです。
しかし、展示が「有難いモノを拝ませてもらった」「アリガタヤアリガタヤ」という感想だけでは苦労して折衝した企画者も、細心の注意で陳列した展示担当者も浮かばれないでしょう。
是非この「ミュージアムテクノロジー」が広まり、「名作以外で」興味を惹く展示が増えることを博物館美術館好きの一人として期待しています。
最後に一言。
スライドショウでは一端しか分かりません。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/
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